伊藤真さんの自民党憲法改正案についての話から見えてきたこと

憲法が自民党の憲法改正案のとおりに決まったら、日本はどうなるんだろう?

憲法を改正するには、国会で国会議員の3分の2以上の賛成を得、国民投票で過半数の賛成を必要とします。

もし、住民投票となった時、国民は憲法改正の意味を理解していないと、とんでもない国になってしまう危険性があると感じました。

政府広報のURL
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200802/3.html

伊藤さんは、現在の国民は
・権力者
・憲法改正について正確に知ろうとする国民
・自ら進んで理解しようとしない国民(多くの国民がここに属するだろうと、伊藤さんはとても危惧していました。)
の3種類の人がいるといいます。

そして、国民投票になったときに、自民党は感情に訴えるような有料広告を、潤沢な資金にまかせて、たくさん流すだろうと予測しています。

国民投票の有料広告については、規制する法律が存在しないからです。
憲法改正について、非常に重要な2点、
1 憲法は権力の防止装置であること。憲法を守るのは権力者であり、国民は憲法を権力者に守らせるものであること。しかし、この部分をかえようとしていること。一般国民も守るものとなっていること。
2 基本的人権が永久に保証されている現憲法から、それを削除していること。

これの変更を含んでいるものであることを、多くの国民は知らない可能性があります。

私は、憲法改正案全文を読んではいません。しかし、一部をよんでいて、とても違和感を覚えた部分がありました。

現行憲法
第十三条
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

自民党改正案
第十三条
全て国民は、として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公益及び公の秩序に反しない限り、
立法その他の国政の上で、
最大限に尊重されなければならない。

私は、公共の福祉に反しない限りが、公益及び公の秩序に反しない限り
の部分に一番引っかかりました。

この表現は、改正案の他の条文でも見かけます。

公益及び公の秩序って、誰が決めるんでしょうか?
その時、権力者が決めるのではないのでしょうか?
永久に時の権力者が変わらないと考えている節があると思えてなりませんでした。

伊藤真さんの話してくださったことで、合点がいきました。現行憲法第97条に規定されている基本的人権が削除されていたから、このようなことが書けたのですね。基本的人権はないのだから、権力者のいうことには逆らえないということでしょうか?!

また、憲法は権力の防止装置であること。憲法を守るのは権力者であることも、見事に変えられています。

憲法を守るのは権力者であり、一般の国民は憲法を権力者に守らせるのが、現行憲法なのに、自民党改正案では全日本国民が守るものに変えられています。

現行憲法

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

自民党改正案

第百二条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。


国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、
この憲法を擁護する義務を負う。

自民党で憲法改正案を作った人たち、そしてこれを自民党の憲法改正案だと認めた首相は、憲法についてどのような認識を持っていたのでしょう?

もし、自民党の憲法改正案が国会で3分の2以上の賛成を得て(現時点の国会議員の3分の2以上の議席を今の与党は獲得しています。)国民投票を実施することになったとき、もし、このままの改正案で国民の半分以上がいいという結論をだしたとき、日本は基本的人権のない、非常に息苦しい国になってしまうだろうと思いました。

自民党の中でも、この憲法改正案はおかしいと思う人もいると信じたいです。

弁護士で国会議員になっている人もたくさんいるのですから、このような改正案を国会にだすなんて、恥ずかしいと思う人がいると信じたいです。

投稿者プロフィール

八木裕子
八木裕子
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私は、千葉県匝瑳市在住で、自然栽培で野菜を作っています、八木裕子です。

長いこと公務員をしていましたが、2012年3月に退職し、木村秋則自然栽培ふれあい塾で自然栽培について学び、現在もその自然栽培にこだわった農業をしています。

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