「ローマ法王に米を食べさせた男」 を読んで
うさんくさい題名?
この本の題名は聞いたことがありました。ただ、題名が、本を取ってみようという意欲を遠ざけていました。ごめんなさい<(_ _)>
石川県羽咋市役所にお勤めだった、高野誠鮮さんが書かれた本です。
高野さんは羽咋市で代々続くお寺の次男坊、お寺を継がなければならなくなり、故郷にもどってきたのでした。しかし、お父様がまだ現職で坊さんをされているので、高野さんは羽咋市で仕事をさがすことになりました。たまたま市役所で臨時職員を募集していたので、それに応募して採用となったのです。
しばらくは臨時職員だったのです。この本を読んでいて、圧倒されるのは、発想の豊かさと事の本質をつかむ力とそれを解決するための方法の見つけ方でした。
特に限界集落だった羽咋市神子原地区を、活気のあるところにするために、多くの仕掛けをします。
ひと、もの、かねをどうやって動かしていくかが、地域活性化の成功の鍵です。
ナポレオンの村のモデルとなった村の話
高野さんは外から人を呼び込むことを考えました。
限界集落のこの地では、空き家になってしまった家や耕作放棄地がたくさんあります。そこで、これらを利用してもらい、外からこの地域に人に来てもらおうとしました。
案の定、地域の人たちは、大反対です。理由はいろいろありましたが、一番の理由は戦争中に疎開に来た人たちが、村の生活になじもうとせず自分勝手なふるまいをしていたことだとわかりました。
そこで、ここに来る人については、この地域の人の好き嫌いで決めていいということにしました。
これが功を奏し、うまくいったようです。
ものについては、この地域でできるお米のブランド化も成功させ、この地域の米が高価格で売れてました。
可能性の無視は最大の愚策、彼のスローガンです。そのスローガンのとおり、可能性があれば何でもやってみる高野さんでした。そして、ローマ法王に神子原地区の米が献上されたのです。これで、いっきにここのお米は有名になりました。
高野さんは、周囲を巻き込む力がすごいです。マスコミも味方につけて活用と言うと語弊がありますが、上手に宣伝してもらえるように事前の連絡とか、きちんとしています。
もっと、この本には成功事例がかいてあります。自分たちで値付けした野菜を売れる直売所をつくったことや、寺の駅をつくって自然栽培の野菜を販売することに成功したことなどなど。
地方公務員でこれだけのことをする人って、日本広しと言えども高野さんだけじゃないかと思いました。ハチャメチャに仕事を楽しんで(苦しんで)、成功といえるところまで、いやそこから先のことまで考えて、した人の奮闘記のように思いました。
文体が、明るいのです。そして、テレビ番組「ナポレオンの村」の原作本なのです。
だからかな、このテレビ番組「ナポレオンの村」も明るいなと思ってみていました。
石川県羽咋市で自然栽培塾の理由がわかった
石川県羽咋市で自然栽培の塾が行われていることは知っていましたが、どうして羽咋市なんだろうと不思議でした。
この本を読んでわかりました。木村秋則さんのことを役所の後輩から聞き、そのことを確かめ、そしてこの栽培方法で、この地域の米をつくれば、TPPで外国産の米が入ってきても、勝つことができると確信し、JAにも協力をお願いし、この地で木村秋則さんに講師となってもらい自然栽培で米をつくる塾を開く運びになりました。
もう、この行動力に脱帽です。
可能性の無視は最大の愚策
可能性があれば、それを試して、試したことがダメだったら、次のことを考えて、とにかく成功するまでやり続けたからこそ、限界集落から脱却できたのですね。
可能性の無視は最大の愚策。いい言葉を知ることができました。
投稿者プロフィール
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当ブログを訪問してくださりありがとうございます。
私は、千葉県匝瑳市在住で、自然栽培で野菜を作っています、八木裕子です。
長いこと公務員をしていましたが、2012年3月に退職し、木村秋則自然栽培ふれあい塾で自然栽培について学び、現在もその自然栽培にこだわった農業をしています。
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