森 絵都 著「みかづき」を読んで、私は大島吾郎・千明夫婦から連なる一家の物語と感じました。
大島吾郎を夫にした赤坂千明という勝気で聡明な女性
塾教育というものがこの物語の中心を貫いていると思いますが、私は、大島吾郎・千明夫妻のそしてその子供たち、孫たちの家族の物語だなと感じました。
吾郎と結婚する前の千明に、私はちょっと憧れました。
千明には、かつて愛し、そして別れた人がいます。その人との子どもを妊娠している事を分かれた後で知りましたが、産むと決め実母の助けもありましたが、シングルマザーとして育てています。
その潔さが、すごいと思いました。
小学校の用務員をしながら、子どもたちの解らないところを教えている吾郎に積極的にアプローチし、結婚するというのも、すごいなと思いました。
塾を一緒にやろうという思いがあったから積極的に出たのでしょうが、その手段が、なんとも千明らしくてびっくりしてしまいます。
が、吾郎の才能とのほほーんとした持ち味に愛情を持ったからだろうと思いました。
千明は、大学を出ています。吾郎は高校中退です。
でも千明にとって、そんな事はどうでもいい事だったのです。その人の持っている脳力に、吾郎の人柄に、自分が納得できれば。
吾郎は千明との結婚にどんな気持ちで臨んだのかな?
長い人生の中で、塾経営について意見が分かれ、経営者の交代、吾郎から千明へ、そして長い期間の別々の生活がありました。それでも離婚はしなかった2人でした。
時代の流れに塾を合わせていこうとした千明、学ぶことの楽しさを子どもたちにわかってもらいたいと、どちらかというとできが悪いと言われている子どもたちに目を向けていきたい吾郎、2人の曲げられない思いがぶつかったとき、長い長い別々の生活の始まりでした。
でも、私、思うのです。この2人は何処かで自分と違う部分を尊敬しあっていたのではないかと。
そして、この物語を書いた著者にも興味を持ちました。
この著者の作品「風に舞い上がるビニールシート」で直木賞を受賞した人だとしりました。この作品を直木賞受賞後、本屋で見た記憶はあります。ちょっと立ち読みをしたような、でも購入するまでには至らなかった、そんな記憶がよみがえってきました。
風に舞い上がるビニールシートを読んでみることとします。
みかづきは、とても読みやすかったし、面白い読み物でした。文中にでてくる場所も千葉県だったので、なんとなくわかりました。それも読みやすかった原因かもしれません。
投稿者プロフィール
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私は、千葉県匝瑳市在住で、自然栽培で野菜を作っています、八木裕子です。
長いこと公務員をしていましたが、2012年3月に退職し、木村秋則自然栽培ふれあい塾で自然栽培について学び、現在もその自然栽培にこだわった農業をしています。
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