2018年4月17日 山武市役所にて野老真理子さんの講演を聴く。
千葉県山武市役所の職員研修会に一般として参加してきました。
山武市役所では毎月職員研修会を、職務が終わった時間に行っているとのことです。
4月17日は、現市長さんは今期を持って退任されるので、現市長さんにとっては最後の研修会となりました。
そして、その日の講師が、大里綜合管理株式会社社長の野老真理子さんでした。
この研修会は野老さんから山武市役所職員に対してのメッセージです。私は、この研修会のことを東総未来ネットワーク実行委員会のときに、同じメンバーである野老さんから一般でも参加可能だとお聞きし、参加しました。
野老さんのメッセージは、野老さんの経験からの体験からの言葉でした。
特に、2011年3月11日の東日本大震災を経験して、どう考え行動したかのお話は、深く心に残りました。
日本は周囲を海に囲まれ、山は木が生える山ばかり、自然に恵まれた国であること。自然の恩恵を受けて暮らしてきた日本、自然は恩恵を与えてくれるばかりではなく、脅威として私たちにその怖さも教えてくれた。
しかし、科学へのおごり、経済を優先させた今日に対して、東日本大震災は戒めだと思った。
そこで、はっきりしたことは
1いざというときはなくなる。
2万が一、生き延びたらやれることをやる。そしてそれがクリアーできたら、次のやれることをやる。それがクリアーできたら次のやれることを・・・・・・。
みんなが参加して考えて行動する。それが地域防災とは、いざというとき市民が立ち上がる事が必要だ。いざというときに一市民として考え行動できるようになっていなければ地域防災はできない。
大里綜合管理株式会社は、2011年3月11日、何をしたかというと、停電になり交通信号が止まっている事に気づいた職員が交通整理に出て行ったそうです。また、被災地に自社のマイクロバスに支援物資を載せて出かけていったそうです。
言うは簡単でも、さくっと行動に移すことはなかなか大変なことだと思いました。しかし、何かあったときに即、行動に移せる、大里マインドはどのようにしてできたかを、書きたいと思います。
私が感じた大里マインド
野老さんの山武市役所職員へのメッセージは、
行政のプロとして大きな視野にたって仕事をしてほしい。
地域の小さな会社だけど、気づく訓練の結果、相手の言わんとすることに気づくことができ、どうしたらそれに応えることができるか、一つ一つの考え行動することで解決してきた。会社にできて、行政にできないことはない。課題に果敢に挑んでほしい。
そのようなことではないかと思いました。
大里綜合管理株式会社、不動産も扱っている会社なのですが○○不動産株式会社ではありません。
大里綜合管理株式会社の仕事の基盤は土地の管理なのです。そして、収益の4割は地域貢献に使い、6割で会社経営をしているとのことです。
当日の野老さんの話を聴いた私のメモから
約50坪の土地を1年間管理していただく代金は15,000だそうです。
年2回の草刈り
年4回の見回り
年12回のお便りを出すこと。
他に法令上で何かあったらお知らせすること。
この管理を委託されるお客様は6,500人になったとのこと。
この基盤があってこその大里綜合管理株式会社なのです。だからバブルのときには手を出さなかったとのことです。
この基盤があるからこど、不動産で大きなお金を稼げたかもしれない、でも、こつこつと積み上げて6,500人のお客様を得てきた企業にしてみれば、その様なことをしてしまうことは大里綜合管理株式会社の在り方に背くことになる、野老社長はそう考えたのでした。
この会社はお母様が興した会社でした。
野老さんは、この会社へ大学卒業と同時に入社し、お母様とともに働き、34才の時に社長になりました。
野老さんが社長になったときに、社長じゃなければできないことをしようと決意し
1職員と相対して年俸を決める。
2社員さんに勉強してもらう事。売上の1%を社員教育にあてる。
を実施したそうです。
そして、野老さんは
1会社の生長とともに生長できる社長になりたい。
2万が一のときに対処できる社長になりたい。
二つのことを自分に課しました。
社長になって3年目の37才のとき、会社で死亡事故を起こしてしまいました。
野老さんは、そのとき、会社経営責任者としてできることはすべてし、それは今も続いているとのことです。
野老さんも3人のお子さんがいるお母さんです、野老さんは言われました。「自分の子どもが殺されたら、絶対許せない。」
会社経営者として母として、相手のご家族に誠心誠意、接していることは容易に想像できました。
そして再発防止として1日1時間の環境整備をし、気づく訓練を全社員ですることにしたそうです。
業務中に起こった事故、なぜおこったのか、それは、事故が起こるかもしれないという意識がなかったから。気づくということができなかったから。
そこから、トップダウンで一日1時間そうじをする、が始まったそうです。その結果、掃除をしたところとそうでないところでは明らかに違いが出ます。
基準が、きれいになったところになります。
その繰り返しで、社員全員が気づくことができるようになっていきました。
その結果、大里綜合管理株式会社は、机がフリーアドレスです。
オフィスにグランドピアノがあり、昼休みに地域の人たちの音楽愛好家の方々の発表の場になっています。
そして、東日本大震災が起こったとき、停電になって交通信号が動かなくなっていることに気づいた職員は、交通整理に駆けつけたのでした。
被災地への支援(人、物資両面で)、自社のマイクロバスで向かいました。
大里マインド、それは「気づくということを社員が全員共有しているということ。気づいたら職員はそれにどうこたえていくかを考える、行動に移すことにトップがコミットしていること」ではないかと思いました。
地域貢献の具体例(全部で300を超える地域貢献の一例です。)
毎月1日、JRの駅のトイレ掃除(13か所)
毎月7日、道路7㎞掃除 企業によびかけて実施
第2土曜日、5か所の海岸掃除
公民館では収益事業では借りることができない。
→会議室、空いている時間に安価で使用していいことにしました。
地元の作家さんたちは、自分たちの作ったものを販売したい。原材料費ほどの収益を得られればいいと考えている。そこで、一棚一か所、月1000円でお貸しすることにした。店番は参加さんたちが交代でしています。
投稿者プロフィール
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当ブログを訪問してくださりありがとうございます。
私は、千葉県匝瑳市在住で、自然栽培で野菜を作っています、八木裕子です。
長いこと公務員をしていましたが、2012年3月に退職し、木村秋則自然栽培ふれあい塾で自然栽培について学び、現在もその自然栽培にこだわった農業をしています。
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