佐藤優 著 「先生と私」読了

佐藤少年の高校入学式まで書かれていた、この本はとても読みやすかったです。

ご両親が、すごい人たちだなと思いました。家庭内での、お父さんとお母さんの会話がとても多かったこと。二人で対等の立場で話ができる関係だったこと。お父さんがお母さんの出身地である、沖縄についての理解がとても深かったこと。それは、お父さんが沖縄で働いたことがあったから、そして自分の妻となる人にあったところだから。

お父さんも、お母さんも、子供にとって一番いいと思うことをしていると感じます。どこの親もそうなのかもしれません。ただ、判断力というか、最後のところで自分の判断を信じるところか、書かれていたところは感動しました。

小学生のころ、佐藤少年は急性肝炎になりました。近くの町医者にかかりますが、いくつ度注射をされるのですが、一向によくなりません。何回か行くうちにお母さんが、佐藤少年に、もうここに来るのはやめよう、もっと大きな病院でよく見てもらいましょうといって、総合病院に行くことにしたのです。その町医者のやり方では子供はよくならないと確信したときに、すぐ次の方法をみつける、この判断力を、私はすごいなと思いました。1960年代、医師の行為に対してだめだと判断できる人がどれだけいたでしょうか?

佐藤さんは、本当に記憶力のいい人だなー。この中に出てくる会話が、当時とそっくりとは思わないけど、とても自然で流れるような会話が多く出てきます。

佐藤少年は、哲学とかキリスト教とかに興味をもって、いろいろな本を読みました。塾の国語を教えてくださる先生にいろいろと質問をしています。

私は佐藤さんの本で「国家の罠」を初めて読みました。そして佐藤さんを知りました。それ以降に読んだ本は、案外最近のことが書かれているので、けっこう激しい口調で書かれているように思いました。日本を憂いている、それをとても感じました。

お父さんの発する言葉で胸にしみるものがいくつか出てきます。社会に出たときに、絶対必要とされる人となることの大切さについて話しているところ(p229最後から3行目からp234 6行目)
それから、高校の入学式のときに、佐藤少年に伝えた言葉 (p326からp327)
「お父さんは、きょう父親として一仕事終えたような気がする。」
「これから優君は、お父さんお母さんには理解できない勉強をすることになる。そして難しいことを考えるだろう。ようやくその入り口にまでたどり着くことができたことにお父さんはほっとしている。」
自分たちを超えていく息子に対して、誇らしい気持ちが表れるお父さんの言葉だとおもいました。そして、このようなことを言ってくれるお父さんに対して、佐藤少年は、尊敬の念を増していったんじゃないかなと私は思ってます!!

なんて、輝いていた少年時代なんだろう。読後感の爽やかな「先生と私」でした。

投稿者プロフィール

八木裕子
八木裕子
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私は、千葉県匝瑳市在住で、自然栽培で野菜を作っています、八木裕子です。

長いこと公務員をしていましたが、2012年3月に退職し、木村秋則自然栽培ふれあい塾で自然栽培について学び、現在もその自然栽培にこだわった農業をしています。

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